このような悩みを抱えている教育関係者の皆さんは多いのではないでしょうか?
教育現場は多忙なため,
子どもたちの興味をひくような導入をやろうと思ってもなかなか準備する時間がないですよね。
今回はそんな悩みを解決する,ある一つの方法を紹介します。
その名も See-Think-Wonder です。
この方法は,あのハーバード大学が提唱するものです。
「英語なので難しそう。」と思われたかもしれませんが,この方法はとても簡単です。
それでは,詳しくみていきましょう。
目次
1.思考ルーティンとは?
今回ご紹介する See-Think-Wonderは,
ハーバード教育大学院の「プロジェクト・ゼロ」によって開発された思考ルーティンの一つです。
この思考ルーティンは,ハーバード大学のサイトで公開されて以来,世界中の教育者によって実践されています。
ハーバド大学が開発!何かかっこいいですね!
ところで,「思考ルーティン」とは何ですか?
「思考ルーティン」とは,子どもたちの思考を可視化したり,促したりするための,繰り返し使う行動の手順,プロセス,パターンのことです。
なるほど!ルーティンだから,何度も繰り返し使えるんですね!
そうです!そこが一つのポイントです。
ルーティンが子ども達に定着すると,
◯説明や準備に時間が取られることなく効果を得る事ができる。
◯子どもたちが思考する時に自分で選択して使える。
◯子どもの思考を記録として残しやすくなる。
など様々なメリットがあります。
アメリカの教育者であるリッチハートは,
子どもに考えさせるのがうまい教師は,
思考を助けるルーティンを作って活用していると述べています。
今回は,21のルーティンの一つ
See-Think-Wonder について紹介します。
2.See-Think-Wonderの実践方法
See-Think-Wonderとは,見える・思う・ひっかかる ことを考えるルーティン!
See-Think-Wonderには,5つのステップがあります。
- 画像や物を見る。
- 何が見えるか?(See)
- 何がおこっていると思うか?(Think)
- 不思議に思うことは何か? (Wonder)
- 思考を共有する。
それでは,See-Think-Wonderの実践例を具体的に見ていきましょう!
今回は,フィリピンの「スモーキーマウンテン」の写真を使った,
See-Think-Wonderの活用について考えます。
切り口によって,国語科,社会科,総合的な学習,道徳など
様々な学習の導入として使えると思います。
Step.1 画像や物を見る。
まず最初に,子どもたちに,画像や物を提示します。画像や物と書きましたが,
絵画,写真,動画,図表,造形物など見せる物は何でも大丈夫です。
ここで重要なのは,学習者の興味を引く,魅力的な素材を選ぶことです。
教科書や資料集などに載っているものは,
かなり時間をかけて選ばれているので,そのまま使ってもいいと思います。
Step.2 何が見えるか?(See)
Step.2では,写真を見て気づいたことについて書いたり,話し合ったりします。
この段階では,解釈したものではなく,とにかく見えることだけに注目します。
書いたり,話したりすることをせずに,とにかく写真を見る時間を作るのもおすすめです。
•ゴミが見える。 •ゴミ山である。 •子どもがいる。
•手にゴミを持っている。 •裸足である。 ・ビニール袋がたくさんある。
Step.3 何がおこっていると思うか?(Think)
Step.3では,見たことをもとに,
「何が起こっていると思うか?(Think)」を書いたり,話し合ったりします。
この時のポイントは,Step.2「See」での観察と関連付けることです。
そうすることで,子どもたちは根拠のある発言をすることができます。
•子どもたちは何かを探していると思う。・ゴミ山の上に立つのは危ないと思う。
•子どもたちは,あまりお金をもっていないように思う。
•真ん中の子どもは,自分の履く靴を探していると思う。
Step.4 不思議に思うことは何か?(Wonder)
Step.4では,見たものや考えたことから,疑問を出します。
ここで出た疑問の中から学習課題を設定するのもいいですね!
•子どもたちは,ここで何をしているのだろうか?
•どうして裸足なのだろうか? •どうしてゴミの山ができているのだろうか?
•子どもたちは,学校に行っているのだろうか?
Step.5 思考を共有する。
Step.5では,みんなの思考を共有します。
共有することで,1人の時よりも考えを深めることができます。
子どもたちの疑問点を教室に掲示しておき,いつでも更新できるようにしておくのもいいですね。
3. See-Think-Wonderの学習プリント
なるほど!手順は分かりました。
でも準備をするのが大変そうです。。。
なんと,See-Think-Wonderの学習プリントは,すでに作成されています。
See-Think-Wondorの学習プリントはここをクリック
この学習プリントを印刷すぐに取り組むことができますね!
ICTツールを活用するのもいいでしょう!
4.See-Think-Wonderのここがすごい!
- 準備時間が短い。
- 子どもたちの興味関心を高める事ができる。
- 児童の導入時の実態を把握する手がかりとなる。
- 常に更新する事ができる。
- 子どもたちの疑問をもとに授業をつくる事ができる。
【See-Think-Wonder】は明日からすぐに使えます!
ぜひ一度取り組んでみてくださいね!
5.その他の思考ルーティン
今回は,子どもの思考が見える21のルーチン アクティブな学びをつくる [ ロン・リチャート ]
に書かれている,思考ルーティンの1つ【See-Think-Wonder】について紹介しました。
本著書では,【Zoom In】【Compass Points】など魅力的な実践がたくさんあります。
ぜひ皆さんも読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明日の授業の導入どうしようかな?
子どもたちを引きつけるような導入がしたいけど,準備する時間がないな。